書きたいときに書きたいことを書きたいだけ。

元編集者兼ライターで、現在はWebサイト制作・運用に携わるピーターが気になったあれこれや、日々感じたことについて。最近ちょっとだけまじめ。Twitter@PeterK723

◆スポーツジムのこと 01◆

実は最近、始めたことがあるんです。

意外だって思われそうなんですけど……

 

 

なんて書き出そうと思っていたんですが、

記事タイトルで思いっきりネタバレしてます…ね!

 

 

GWの最終日にあたる5月6日(日)から、

人生初!スポーツジムに通っています。

 

 Twitterにあげたこの画像は、ジム用にと思って購入したスニーカー。

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なぜジムかと言うと、

それはもう完全にダイエット目的!!!!!

 

何年も前から心のどこかで

「痩せなきゃ…」「運動しなきゃ…」

「ジムに行けば変わるかな…?」という思いを秘めていたんですが、

ついについに重い腰を上げることができました。

 

 

実は2~3年ほど前にも一度、

別のスポーツジムの体験に行ったのですが、

そこで散々な目に遭いました。

散々な目というか、利用者さんたちからの「洗礼」を受けたのです。

 

 

「見学だけじゃ意味ないよな〜」と思った当時の私は、

「ビジター(会員登録ナシでの利用)」として

そのスポーツジムに足を踏み入れました。

 

当然受付では初めて来館した旨を伝えていたんですが、

ざっくりとした館内の説明以外は

何かを聞かれたり教えてもらうことなどなく、

野放しにされていました。

 

きっと、ジムというもの自体に慣れている人であれば

フリーダムで楽チンだったと思います。

 が、私は違いました。

 

何しろまともに運動したのは高校の授業ぶり!

学生の頃からすでに運動が苦手&嫌いだったので、

いかに体育の授業をサボるかということばかり

考えているようなタイプでした。

 

 

そんな私なので、運動は久しぶりだしジムを利用するのは初めて。

マシーンの使い方が分からない…以前に、

更衣室からプールやマシントレーニングができる部屋、

シャワールームなどへの行き方がわからず、

かなり挙動不審になりながら更衣室にたどりつきました。

 

 

 

そこで唐突に、

 

 

 

「やだ! 汚い!!! 」

「あなた何してるの!!!!!?」

「出て行って!」

「入り口からやり直して!!!!!」

 

 

 

という言葉を、

他の利用者様方から頂戴することになりました。

 

 

最初は私のことを言ってているのだと分からず。

騒がしい人がいるな~と思いつつ

着替えを始めようとしていたんですが…

刺すような視線を感じて「あ、私だ」と気付きました。

知らぬ間に、オバちゃんたちの逆鱗に

触れてしまっていたみたいなんです。

 

 

あまりの剣幕に着替えの手を止めて、

とりあえず受付の方まで引き返そうとしたところ、

その途中で「スリッパを履き替える場所」があることに気付きました。

 

 

入館した時に専用のスリッパに履き替えてはいたんですが、

どうやら更衣室からは、さらに別のスリッパへ

履き替えることになっていたみたいで…

それを知らなかった(聞いていなかった)私は

壁の張り紙にも全く気付いていませんでした。

 

 

それにしても、

「汚い」とか「ありえない」なんて言い方

しなくてもいいじゃんよ〜〜〜〜

おばちゃま軍団 VS. 初心者の私。分が悪すぎる。

 

 

でもでも、ルールを破っていたのは私。

知らなかったとは言え、利用者さんからしたら気分悪いよな…

なんて思いとともにスリッパを履き替え、再び更衣室へ。

 

こんなことで心を折っている場合じゃない。

私は運動しにきたんや…!!

と、気合を入れ直したところで、

今度は別の集団の会話が耳に入りました。

 

 

「あそこ……」

「私たちが使うロッカーなのに…」

「知らない人が居るから使えないわね」

「困るわね…」

 

 

えー? 私? もしかして私なの?

そうなの? 更衣室こんなに広いのに??

利用者そんなにいるわけじゃないのに? ここがいいの?

ここじゃなきゃダメなの???

 

 

知らなかったよ…

なんてったって初めてだし……

 

 

ということで、そっとロッカーを移動して

やっと着替え終わり、いざお目当てのプールへ。

 

 

プールでは他の利用者さんとも少しだけお話ができて、

「そんなに雰囲気悪くないじゃん。よかったー」

なんて、イメージが回復しかかっていたのですが…

 

 

プールから上がった後、最後の事件が起きました。

プールと更衣室とはフロアが違ったのですが、

ずぶ濡れのまま更衣室まで行っていいのか、私は躊躇しました。

 

そこで、近くにいたスタッフに聞いてみたところ

「そのまま行っていただいて大丈夫ですよ!」とのこと。

 

その言葉に安心して、

(でも、ずぶ濡れでエレベーターに乗るのは気が引けたけど…)

更衣室まで移動し、バスタオルなどがしまってある

自分のロッカーまで歩いていこうとしたら…

 

 

 

「何やってるんですか!!!!!?」

 

 

 

と、またもやヒステリックな声で呼び止められました。

振り返ってみると、

そこにはお掃除担当と思われるスタッフが。

 

「バスタオルを取りに…」

 

という私の言葉は意味をなさず…

 

 

「そんなずぶ濡れのままで歩かれたら迷惑です!

 掃除している意味がないじゃない!

 水着を脱いでロッカーまで行ってください!

 ほかの方はみんなそうしていますよ!!!!」

 

 

ふえー???

私手ぶらなんですけど、水着脱いだたら全裸ですけど、

当然隠すもの(タオルとか)も持ってないんですけど、

ロッカーまで微妙に距離(20歩くらい)ありますけど、

それでも脱ぐの? うそでしょ? 冗談でしょ???

 

と思いましたが、その時更衣室にいた人のなかには

水着の方はおらず…

お掃除の方も動こうとせず…視線が怖くて……

なんだろうこの羞恥プレイ…なんて思いながら、

全裸で更衣室を横断しました。

 

 

実はエレベーターホールの脇にシャワールームがあって、

その手前にシャワー利用者向けの小さな棚がありました。

 

プールに行く人はタオルなんかをそこに置いて、

プールで泳いだ後はシャワールームで水着を脱ぎ、

タオルを巻いて更衣室を闊歩しているようでした。

(帰る頃に知りました)

 

 

 

分かるわけがない!!!!!!!

 

 

 

そうやって心のなかでたくさんのツッコミを入れながら、

私のジム初体験は幕を下ろしました。

 

当然のごとくに入会しませんでしたよ!!!!

こちらからお断りです!!!!!!

 

と言いたいところなんですが、

ジム側から勧誘されることもなかった

(どうでしたか~?とか、入会いかがですか~?すら聞かれたなかった)ので、

なんだかいろいろ寂しい気分になりながら、おとなしく帰宅しました。

 

 

そんな苦い記憶を持ちながらのジム入会、2018年春。

今回行ってみたジムの感想や手応えについては

次の記事にでも~

◆諸橋近代美術館に行ったこと◆

ゴールデンウィークがあっという間に終わってしまった…

 

なんて言いつつ、

天気が荒れまくった上に気温も低かった5月3日(木)に

福島県にある諸橋近代美術館へ行ってまいりました!

 

 

Twitterにはこんな画像をアップしていましたが、

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実際はこれくらいどんよりしていました… 

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暗!!!!

山の上にあるおかげで、入り口の隅には少しだけ雪も……

 

 

さて、そんな諸橋近代美術館になぜ足を運んだかと言うと、

ご存知の方も多いかもしれませんが

同美術館は「アジアで唯一のサルバドール・ダリ作品の常設美術館」なのです。

 

2016年に東京・国立新美術館でダリの絵を見てから

ずっとずっと諸橋近代美術館にも行ってみたかったのですが…

ついにその夢が叶いました!!

 

 

まず、建物も敷地内の池とか自然も何もかも美しい…!

私の写真では完全なる曇り空なので、

ぜひ公式HPで美しい外観などを見てみていただきたいです。

dali.jp

 

入館料は大人950円。

私的には、こんなにダリを堪能できてこの値段…!と感じました。

ちなみに、音声ガイドは無料で貸し出されています。

 

 

ダリの作品は常時40点ほど展示されており、

時期によって入れ替えが行われているようです。

訪れるタイミングによって鑑賞できる作品が異なるので、

何度でも足を運びましょうということですね!!

 

 

そもそもこの美術館は、

美術館の名前にも入っている「諸橋さん」の

コレクションを基にした美術館とのこと。

 

創立者の諸橋廷蔵さんはダリの絵に魅了され、

自らダリの作品(絵画、彫刻、版画作)を約330点蒐集されたそう。

それらが順繰りに美術館で公開されているという仕組みなのです。

 

 

今回見に行って感動した作品の一つが「テトゥアンの大会戦」。

ダリ展でも展示されていた油彩画ですが、

サイズが大きい(約3m×4m)上に描かれているもの自体にも迫力があって

ほんと惚れ惚れしちゃいました。

その絵の手前には丁寧な解説もあって、

読み込んでから見てみると、また一段と魅力的に…

 

↓「テトゥアンの大会戦」見てみてください!

コレクション|諸橋近代美術館

 

 

それともう一つ、諸橋近代美術館は

ダリの絵画だけでなく彫刻(ブロンズ像など)も多数所有されていて、

「記憶の固執」などに登場する「溶けた時計」の像も

間近で見ることができました。しかも大きい!

 

とってもシュールで見応えもあるので、

ぜひ本物を見に行っていただきたい!!

 

 

ちなみに現在は、

「夢幻×無限 〜エッシャー、ダリ、福田繁雄〜」と

「コレクション展」も開催されていました。

www.youtube.com

 

エッシャーのだまし絵もおもしろかったし、

「コレクション展」にあったマリー・ローランサンの絵が

儚くて淡くて優しげな美少女ばかりでメロメロでした…

 

 

それと、入り口付近の撮影可能スペースでは、

こんな写真が撮れました!

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生で見ても、どういう仕組みなのかぜんぜんわかりませんでした(笑)。

 

 

あー! また行きたい!!!!

こうやってブログを書いていたら、

先日のワクワクドキドキがよみがえってきました…

 

ダリの絵はヘンテコなものが多いし、

「どうしてそういう発想になったの!?」って驚かされるものばかりですが、

それ故に(?)すごくすごーく引き込まれます。

 

前のブログでも書きましたが、

私は特段絵画に詳しいわけでもないのに…

「なんかいいな、素敵だな」と感じるものが多々あります。

 

 

最後に、入り口にいらっしゃる諸橋廷蔵さんと…

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◆読書のこと 04◆

このブログやTwitterなんかで度々書いていますが、
私はいま、女性アイドルが大好きです!!!!!

 

その気持ちの強さと、朝井リョウさんが書く「アイドル」って
どんな感じだろ…という好奇心から、『武道館』を手に取りました。

books.bunshun.jp

 

購入してから1週間。あっという間に読んでしまいました! 

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この本の発売は2018年3月。
出たばっかりなんだなーと思っていたんですが、
それは文庫の話であって、単行本は2015年4月の発売でした。

 

今から3年以上前に紡がれた物語ということになりますが、
「古い」とか「昔の話」なんて感じはしません。
むしろ、
(編集者として多少でもエンタメ業界に触れている身でありながら)
ぜんぜん新鮮に思えました!

 

それはつまり、アイドル業界の在り方だったり、業界を取り巻く環境が、
数年前からほとんど変わっていないということなのかもしれませんが…

 


さて、ここからは内容についてのお話です。
多少のネタバレも含みますので、
未読の方やネタバレが苦手な方はご注意くださいませ!

 


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本作は、NEXT YOUという架空のアイドルグループのメンバーである、
女子高校生の愛子を中心に展開される物語。


彼女の幼少期の思い出から始まり、
NEXT YOUが掲げる「武道館でライブを!」という夢に向かって
ひた走る物語…なんですが、
あるタイミングから、その様相はガラッと変わります。

 

もちろん、NEXT YOUのメンバーたちが武道館に立つまでの紆余曲折を、
様々なエピソードを交えがら描いているパートが大半を占めています。

 

NEXT YOUのメンバーは全員個性的で、
読み進めるうちに、どんどん彼女たちらしさが見えてきます。
しかし、その中において、主人公である愛子の人物像だけは
なんだかずっとぼんやりしているように感じていました。

 

「昔から歌や踊ることが好き」という特徴はあるものの、
外見の詳細なんかはよく分からず。
例えば、他のメンバーの体型が悪い意味で注目を集めてしまった時、
「そういえば、愛子の体型って細いのかな…?」となったし、
演技や作詞を始めたメンバーがいるという描写があっても、
「愛子にもそういう特技とか、やってみたいことってあるのかな」
なんて疑問が浮かぶくらい、彼女のイメージが湧きませんでした。

 

ライヴのシーンやメンバー同士の会話シーンは
その映像が頭に浮かんでくるようなのに、
愛子だけはリアルにイメージできなかったというか。

 


そんな愛子の「個性」というか「想い」が表出したあたりから、
どんどん物語に面白みが増して、引き込まれて、
勢いが生まれっていったように感じました。

 

そして、愛子の「想い」や「個性」が表出したあたりから、
この物語は、武道館を目指すアイドルたちの話から
「アイドルとして活動するふつーの女の子」の話に様変わりする…
と、ちょっと大げさかもしれませんが、私は思ったのです。
キーになるのは、彼女の母親と幼馴染である大地です。

 

母親と幼馴染とのエピソードから、
愛子がぼんやりとした存在から実体のある存在になって、
物語のなかや、物語を受け取った私のなかで、とてもイキイキしてきます。

 

もしかしてアイドルって、人間らしい感情を捨てて、
ひたすら綺麗に、なんの引っ掛かりも持たせない存在なのかもしれない…
と言ったら大げさなんですが、
「NEXT YOUとしての愛子」には、
ほんと人間味を感じなかったというか、実体がつかめなかったのに、
愛子の人間らしさが出てくると、彼女がぐっと身近に、魅力的になりました。

 


本作には、愛子や母親、大地以外にも様々な人物が登場します。

 

まずはNEXT YOUのメンバー。
元気っ子、優等生、お姉さん、妹キャラ、女優志向、ぽっちゃり…などなど
様々なタイプのアイドルが集まっています。
それ故に、巻き起こる事件も幅広いです。

 

また、愛子目線の物語の合間に、様々な関係者目線の話が挟み込まれています。
ライヴ会場のスタッフや振り付けの先生など、少しずつではありますが、
いろんな人の目線でNEXT YOUというアイドルグループが語られています。

 

改めて、アイドルという存在が、
様々な人との関わりの中で成り立っている存在なのだと感じました。

 

その他にも、NEXT YOUを支えるファンや、
心無い言葉を浴びせてくるファンではない人たち、
愛子の理解者である父親や、同級生。
いろんな人たちが出てきて、この物語を形作っています。

 

 

物語の後半、とあるスキャンダルが発覚します。
少し前の記事でも書きましたが、
解散やメンバーの脱退など含め、スキャダルと呼ばれるようなニュースは
そのアーティストのファンでなくても耳に入ってくるし、
それを知って何も感じないこともあれば、
「うわー最悪。アイドルとしてどうなの…」なんて、
よく知りもしないで(無責任に)考えてしまうこともあると思います。

 

しかし、『武道館』を読んだら、アイドルであり続けることって、
そんなに清廉潔白で在り続けないといけないのか…?と感じたし、
ぽっちゃり体型を中傷されたメンバーのエピソードを読んだ時は、
思春期なんだし、いくら気を付けようとしても
できないことだってあるだろうに…なんて気持ちになりました。


フィクションの世界だけでなく、
それってきっとリアルでも言えることのはずなのに、
なぜだかリアルになると思いやれなかったりするもの。
それは、当事者であるアイドル側の気持ちが、
アイドルでない私たちに「想像できない」からかもしれません。

 

作者の朝井リョウさんだって、アイドルではありません。
だから、ともするとこれは
「アイドルじゃない人間が書いた、妄想の産物」なのかもしれない。
本当のことは、アイドルたち本人しか知りようがないのかもしれない。

 

 

それでもこの物語を読めば、
アイドルを取り巻く環境が少しだけイメージできたり、
彼女たちが背負う期待やプレッシャーの一端を、理解できる気がしました。

 

そして、すごくすごく当たり前のことなんですが、
「アイドルだって普通の女の子」
だということも思い出されました。

 

普通の女の子でもある愛子と
NEXT YOUが選び取った未来を、どうか見届けてください。