書きたいときに書きたいことを書きたいだけ。

元編集者兼ライターで、現在はWebサイト制作・運用に携わるピーターが気になったあれこれや、日々感じたことについて。最近ちょっとだけまじめ。Twitter@PeterK723

◆音楽のこと 02◆

ここ最近、聴き続けているアルバムがあります。
今年2月に発売されたKREVAさんのアルバム『嘘と煩悩』です。

www.youtube.com

 

ふとした瞬間に「聴きたいな」と感じたり
iTunesのランダム再生で何度流れても
飛ばそうと思う気持ちが一切起きず、何度聞いても心地よい作品なのです。

 

私はJ-POPやJ-ROCK、アニソン・ボカロ曲を聴くことが多いので
HIP HOPに精通しているわけでは全くありません。
さらに、KREVAさん自身にも特別詳しいわけではありません。
それなのに、すごく惹かれる楽曲がたくさんありました。

 

私のように「HIP HOPに精通しているわけではない人」や
KREVAさんに特別詳しいわけではない人」にも本作が届いたらと思い、
今回『嘘と煩悩』について書かせていただこうと思いました。

 

 

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KREVAさんについて詳しいわけではない”と書きましたが、
KREVAさんがすごい人だということは知っています。

 

例えば、
「マルシェ」などのヒットで知られるKICK THE CAN CREWのメンバーであること。
ヒップホップというジャンルで活躍するソロアーティストとしても
アルバムセールスなどで“すごい”記録を持っていること。
久保田利伸さんや草野マサムネさんなど、
幅広いジャンルのアーティストとコラボレーションしていること。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」をサンプリングした「国民的行事」がすごくかっこいいこと。

 


ただ、KREVAさんの人間性や音楽性を深く知っているわけではありません。
なので、4年ぶりのニューアルバムとなった『嘘と煩悩』が
“彼らしい”とか“らしくない”とか
そういうことは正直わからなくて…。
でも、自信を持って言えることが一つあります。

 

それは、『嘘と煩悩』は
HIP HOPにあまり馴染みがない人でも楽しめる、
すごくかっこいいアルバムであるということ。

 


アルバムの幕開けを飾るのは、タイトルトラックの『嘘と煩悩』。
“嘘と煩悩”というフレーズが繰り返され(すごく耳に残ります)、
耳を引く音やサウンドエフェクトが施された、遊び心満点のナンバーです。

 

でも、それ以上におもしろいのが
タイトルや歌詞に秘められた言葉遊び。
ナタリーさんのインタビューでも触れられているのですが、
「嘘800 煩悩108 合計908 908は無くならない」という歌詞が秀逸。
908=クレバと読めるのもすごい。

natalie.mu

 

「一度くれば抜け出せない世界」という歌詞も印象的で、
私もそのフレーズ通り
このアルバムを何度も繰り返して聴くようになりました(笑)。

 

続く「神の領域」もリズムと韻の踏み方が心地よくて、
「居場所」は綺麗で少し大人な印象。

 

そして、4曲目の「想い出の向こう側」。
これめっちゃかっこいいです。
KREVAさんと同じくHIP HOP系アーティストのAKLOさんが客演しています。
サウンドがすごくオシャレで都会的な雰囲気があって、
二人の歌声はかっこいいんですが甘さもあって、癖になります。

 

初めて聞いた時、冒頭の歌詞から
私は勝手に過去の恋愛を歌った(元彼に縛られている女性に宛てた)
楽曲かと思っていました…が、そうではないみたいです。

 

そして、「想い出の向こう側」と同じくらい、
6曲目の「Sanzan」も魅力的な楽曲です。
こちらは元AKB48増田有華さんの客演曲です。
増田さんの歌声もカッコよくて艶やかで、素直さもあってしびれます。
(増田さん、KREVAさんプロデュースでソロデビューしてるんですね)

 

サビのフレーズを増田さんが歌っており、
KREVAさんは終始ラップパートに徹しています。
こちらは完全にラブソング。
相手への愛しさや慈しみに満ち溢れた、大人っぽくて優しいナンバーです。

 

サウンドが心地よくて、
KREVAさんと増田さんによるデュエットが
優しいのに切ない感じもして、
初めて聴いた時から大好きになりました。

 

増田さんが歌うメロディアスなパートや
歌詞のストーリー的に
本作で一番女性が聴きやすいナンバーじゃないかなと思っています。

Sanzan feat. 増田有華 - KREVA - 歌詞 : 歌ネット

 


日本人は歌詞を大事にして音楽を聴く習慣が根付いていると
聞いたことがあるのですが、
そうするとリズム重視なHIO HOPやサウンド重視のダンスミュージック、
異国語で歌われる洋楽とはあまり親和性が高くないと思っていました。

 

それでも、KREVAさんの楽曲は
リズムの小気味よさやサウンドのかっこよさは当たり前に維持しながら
言葉遊びや言葉選びが絶妙で
聴くたびに発見があるものばかり。

 

BGMとして流していてもオシャレで耳馴染みがよく、
歌詞に集中して聴いても、言葉選びの妙にすごく楽しませてもらえる。
『嘘と煩悩』はそんな楽曲の集合体だと思いました。

 


9月7日に復活祭を行うKICK THE CAN CREWの最新曲
「千%」もとっても素敵です(*^-^*)

KICK THE CAN CREW「千%」MUSIC VIDEO - YouTube