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編集者兼ライターのピーターが気になったあれやこれ、日々感じたことについて。主に音楽・ゲーム・漫画・映画・アニメなどなど。Twitter@PeterK723

◆大好きだったバンドの解散を、1年半越しに受け入れられたこと◆

 

 

解散、脱退、卒業、活動休止、中止、終了……

 

 

バンドやユニット、またはアーティスト個人の

「終わり」を示す言葉はいろいろあって、

ニュースサイトやSNS上で日々飛び交っていますが、

 

 

実際に「自分の好きなアーティスト」の
「解散」や「活動終了」を経験したことはありますか?

 

 

「あのバンド解散するんだー」とか

「人気メンバーだったのに卒業か…」とか

「活動中止って…何かやらかしたのかな」なんて、

三者的な立場からぼんやりと思ったことくらいは

誰しも一度くらいはあるのではと思うのですが、

自分の好きなアーティストの「終わり」に立ち会ったことはありますか?

 

 

私は、あります。

 

20数年間生きてきたなかで、

一番ハマり、一番ライヴを観に行ったバンドが、

「大好き」な状態のまま解散に至りました。

 

 

それが、BORNというヴィジュアル系バンドでした。

BORNの解散は2016年5月。

ラストライヴは平日でしたが、午後休をとって観に行きました。

 

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ラストライヴ直前の私のツイート

 

 

それでも開演には間に合わず、

久しぶりに行った会場だったこともあり、

入り口が分からなくて迷子になり、時間をロスし…

見始めたのは5曲目あたりから。

 

「今日で終わるバンドなんだ」とは思えないくらい、

勢いがあってかっこよくて、すごくまぶしくて。

解散ライヴの会場に居ながら、解散だなんて信じられませんでした。

 

 

そして、アンコールは見ずに、ひっそりと帰りました。

 

 

とっても子供っぽい理由なのですが、

その日が最後だと分かっていたのに、

もう二度と観れないということも分かっていたのに、

「終わり」の瞬間を目の当たりにしたくないと思ってしまったんです。

 

最後まで観なければ、私のなかで彼らの「解散」が

現実にならないと思ったというか、なんというか…。

 

 

それからもBORNの楽曲はよく聴きましたが、

新しいバンドにハマることもなく、ライヴにはほとんど行かず、

再びアニメや漫画、ゲームが大好きになり、

その一方で欅ちゃんにハマったり…と、

意図していたわけではないですが、

ヴィジュアル系とは距離ができていました。

 

そして、楽曲を聴けば聴くほど、

「こんなにも良い曲ばかりなのに、

 もう生で聴くことは二度とできないんだよな」

なんて考えてしまい、感傷的になったりもしました。

 

 

そんな日々がしばらく続いたんですが、

久しぶりにヴィジュアル系に触れる機会がやってきました。

 

 

 

「RAZOR(レザー)」というバンドの

ワンマンツアーのファイナル公演を観に行ったのです。

razor-web.jp

 

RAZORは2016年秋に結成されたバンドで、

ヴォーカルを務めるのは、BORNのヴォーカリストだった猟牙さんという方。

つまりRAZORは、BORNの解散後に結成された新しいバンドでした。

 

BORNを好きな理由として、

猟牙さんの歌声やパフォーマンスの素晴らしさもあったのですが、

私はずっとRAZORの音源は聴けずにいたし

当然ライヴにも行っていませんでした。

 

 

2016年5月25日の解散ライヴで、

私は私のなかのBORNを終わらせなかったのに、

違うメンバーとともにライヴをする彼を観てしまったら

その感覚が崩壊してしまう。

「BORNの解散」を受け入れざるを得なくなってしまう。

そんな想いが、少なからず働いていたように思います。

 

 

それでもライヴに行ったのは、

最近できた友人が偶然にもBORNのファンだったことが分かり

RAZORのライヴにも何度か行っていると言われ、

せっかくだから一緒に観てみようという流れがあったから。

 

 

ライヴハウス自体も久しぶりだったので、

一人じゃないのは心強い。

何より、BORNを好きだったという友人に誘われたのが嬉しくて、

私は参戦を決意しました。

ただ、事前にRAZORの音源を聴いたりPVを観ることはしませんでした。

 

 

 

そして迎えた2月10日、

私は大きな後悔をすることになります。

 

 

 

それはRAZORが、

あまりにもかっこよかったから。

 

 

 

楽曲もパフォーマンスも会場の一体感や、

客席側から感じられる熱気なども含め、

すごくすごく熱くて、それでいて心地よいライヴでした。

 

もしかすると、見ていたらしんどいかな…

なんて懸念も最初はあったのですが、

なぜもっと早く観にいかなかったんだろう…

と後悔する気持ちが、一番強く残りました。

 

 

 

そんな想いが芽生えたということは…

 

 

少し大げさかもしれませんが、

私はやっとで「RAZOR」というバンドを受け入れることができ、

さらには「BORNの解散」を現実のものとして

受け入れることができたのかもしれません。

 

 

BORNの時と変わらず(もしかしたらそれ以上に)、

ステージ上で生き生きとした姿を見せた猟牙さんはとても素敵で、

2016年5月から足を止めたままだった自分が

置いてきぼりをくらったような気持ちになりました。

 

時間は確実に流れ、

BORNのメンバーだった猟牙さんは新たなステージに立ち、

RAZORのライヴを求めるファンたちが、会場に多数集っている。

私もそのなかに入りたいと思えました。

 

見逃した分を取り戻せるなら取り戻したいし、

「今」を生きるバンドを、この目にやきつけたい。

これからも追いかけていきたい。

そんな風に思える、熱い熱いワンマンライヴでした。

 

 

本編終了後のアンコールで、

メンバーの口から「BORN」というワードが飛び出しました。

その日の会場だった新宿BLAZEは、

BORNもライヴ経験のある場所で、私も観に行ったことがありました。

 

過去を隠すわけでも消すわけでもなく、

腫れ物に触れるような話し方でもなく

自然と発せられた「BORN」という名前に

私はなんだか涙が出そうなくらい嬉しくなりました。

 

私の中にBORNが残っているのと同じように、

猟牙さんやRAZORメンバー、

あの会場にいた人たちのなかにも、きっと、BORNが残っている。

残っていて当たり前だし、覚えているのは悪いことじゃない。

これまた大げさですが、勝手に救われたような気分になりました。

 

 

2016年5月から約1年半の時を経て、

私はやっとでBORNの解散を昇華することができました。

そのきっかけは、紛れもなく

「今」を生きているバンド・RAZORのおかげです。