書きたいときに書きたいことを書きたいだけ。

元編集者兼ライターで、現在はWebサイト制作・運用に携わるピーターが気になったあれこれや、日々感じたことについて。最近ちょっとだけまじめ。Twitter@PeterK723

◆読書のこと 04◆

このブログやTwitterなんかで度々書いていますが、
私はいま、女性アイドルが大好きです!!!!!

 

その気持ちの強さと、朝井リョウさんが書く「アイドル」って
どんな感じだろ…という好奇心から、『武道館』を手に取りました。

books.bunshun.jp

 

購入してから1週間。あっという間に読んでしまいました! 

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この本の発売は2018年3月。
出たばっかりなんだなーと思っていたんですが、
それは文庫の話であって、単行本は2015年4月の発売でした。

 

今から3年以上前に紡がれた物語ということになりますが、
「古い」とか「昔の話」なんて感じはしません。
むしろ、
(編集者として多少でもエンタメ業界に触れている身でありながら)
ぜんぜん新鮮に思えました!

 

それはつまり、アイドル業界の在り方だったり、業界を取り巻く環境が、
数年前からほとんど変わっていないということなのかもしれませんが…

 


さて、ここからは内容についてのお話です。
多少のネタバレも含みますので、
未読の方やネタバレが苦手な方はご注意くださいませ!

 


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本作は、NEXT YOUという架空のアイドルグループのメンバーである、
女子高校生の愛子を中心に展開される物語。


彼女の幼少期の思い出から始まり、
NEXT YOUが掲げる「武道館でライブを!」という夢に向かって
ひた走る物語…なんですが、
あるタイミングから、その様相はガラッと変わります。

 

もちろん、NEXT YOUのメンバーたちが武道館に立つまでの紆余曲折を、
様々なエピソードを交えがら描いているパートが大半を占めています。

 

NEXT YOUのメンバーは全員個性的で、
読み進めるうちに、どんどん彼女たちらしさが見えてきます。
しかし、その中において、主人公である愛子の人物像だけは
なんだかずっとぼんやりしているように感じていました。

 

「昔から歌や踊ることが好き」という特徴はあるものの、
外見の詳細なんかはよく分からず。
例えば、他のメンバーの体型が悪い意味で注目を集めてしまった時、
「そういえば、愛子の体型って細いのかな…?」となったし、
演技や作詞を始めたメンバーがいるという描写があっても、
「愛子にもそういう特技とか、やってみたいことってあるのかな」
なんて疑問が浮かぶくらい、彼女のイメージが湧きませんでした。

 

ライヴのシーンやメンバー同士の会話シーンは
その映像が頭に浮かんでくるようなのに、
愛子だけはリアルにイメージできなかったというか。

 


そんな愛子の「個性」というか「想い」が表出したあたりから、
どんどん物語に面白みが増して、引き込まれて、
勢いが生まれっていったように感じました。

 

そして、愛子の「想い」や「個性」が表出したあたりから、
この物語は、武道館を目指すアイドルたちの話から
「アイドルとして活動するふつーの女の子」の話に様変わりする…
と、ちょっと大げさかもしれませんが、私は思ったのです。
キーになるのは、彼女の母親と幼馴染である大地です。

 

母親と幼馴染とのエピソードから、
愛子がぼんやりとした存在から実体のある存在になって、
物語のなかや、物語を受け取った私のなかで、とてもイキイキしてきます。

 

もしかしてアイドルって、人間らしい感情を捨てて、
ひたすら綺麗に、なんの引っ掛かりも持たせない存在なのかもしれない…
と言ったら大げさなんですが、
「NEXT YOUとしての愛子」には、
ほんと人間味を感じなかったというか、実体がつかめなかったのに、
愛子の人間らしさが出てくると、彼女がぐっと身近に、魅力的になりました。

 


本作には、愛子や母親、大地以外にも様々な人物が登場します。

 

まずはNEXT YOUのメンバー。
元気っ子、優等生、お姉さん、妹キャラ、女優志向、ぽっちゃり…などなど
様々なタイプのアイドルが集まっています。
それ故に、巻き起こる事件も幅広いです。

 

また、愛子目線の物語の合間に、様々な関係者目線の話が挟み込まれています。
ライヴ会場のスタッフや振り付けの先生など、少しずつではありますが、
いろんな人の目線でNEXT YOUというアイドルグループが語られています。

 

改めて、アイドルという存在が、
様々な人との関わりの中で成り立っている存在なのだと感じました。

 

その他にも、NEXT YOUを支えるファンや、
心無い言葉を浴びせてくるファンではない人たち、
愛子の理解者である父親や、同級生。
いろんな人たちが出てきて、この物語を形作っています。

 

 

物語の後半、とあるスキャンダルが発覚します。
少し前の記事でも書きましたが、
解散やメンバーの脱退など含め、スキャダルと呼ばれるようなニュースは
そのアーティストのファンでなくても耳に入ってくるし、
それを知って何も感じないこともあれば、
「うわー最悪。アイドルとしてどうなの…」なんて、
よく知りもしないで(無責任に)考えてしまうこともあると思います。

 

しかし、『武道館』を読んだら、アイドルであり続けることって、
そんなに清廉潔白で在り続けないといけないのか…?と感じたし、
ぽっちゃり体型を中傷されたメンバーのエピソードを読んだ時は、
思春期なんだし、いくら気を付けようとしても
できないことだってあるだろうに…なんて気持ちになりました。


フィクションの世界だけでなく、
それってきっとリアルでも言えることのはずなのに、
なぜだかリアルになると思いやれなかったりするもの。
それは、当事者であるアイドル側の気持ちが、
アイドルでない私たちに「想像できない」からかもしれません。

 

作者の朝井リョウさんだって、アイドルではありません。
だから、ともするとこれは
「アイドルじゃない人間が書いた、妄想の産物」なのかもしれない。
本当のことは、アイドルたち本人しか知りようがないのかもしれない。

 

 

それでもこの物語を読めば、
アイドルを取り巻く環境が少しだけイメージできたり、
彼女たちが背負う期待やプレッシャーの一端を、理解できる気がしました。

 

そして、すごくすごく当たり前のことなんですが、
「アイドルだって普通の女の子」
だということも思い出されました。

 

普通の女の子でもある愛子と
NEXT YOUが選び取った未来を、どうか見届けてください。 

◆欅坂46のこと 05◆

2月1日(木)に、ひらがなけやきちゃんたちの

日本武道館@最終日に行ってまいりました〜!

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写真まで載っけておいてなんですが、

今回の記事は「私の独断と偏見による欅坂46メンバー紹介」の続きです!

3記事に渡る大作(?)となってしまいましたが、こちらで最後です。

 

グループとしてはもちろん、

メンバー個人個人もとても魅力的なので、

公式HPと照らし合わせて楽しんでいただければ幸いです!

www.keyakizaka46.com/

 


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⚫︎ 長沢菜々香さん

(ながさわ・ななこ/1997年4月23日、山形県生まれ)

通称・なーこちゃん、長沢くん。

バイオリンが得意&おとなしい雰囲気から、

結成当初はお嬢様キャラだったのに…

気付けば不思議ちゃん&大食いキャラに!

ぺーちゃんこと渡辺梨加さんと仲良し。

 

⚫︎ 長濱ねるさん

(ながはま・ねる/1998年9月4日、長崎県生まれ)

昨年12月に発売された写真集『ここから』の売り上げも好調で、

人気も注目度もグループ上位のねるさん。

アイドル然とした容姿をしていて、一見ぶりっこキャラに見えるけれど、

実は長崎の大自然で育った野生児。たくましい面もあり。

両親からの反対で最終オーディションが受けられず、

その後紆余曲折を経て「けやきざか46」と兼任で加入。

昨年10月リリースの5thシングル「風に吹かれても」から欅坂46専任になりました。

高校生クイズへの出場経験があり、実は知識が豊富。

 

⚫︎ 土生瑞穂さん

(はぶ・みづほ/1997年7月7日、東京都生まれ)

身長171cmで、欅坂46イチ身長の高い美人さん。

髪の毛がロングだった時期もありますが、

現在の肩につかないくらいの長さも

クールな雰囲気があってお似合いです…!

そんな容姿で中身はヲタク(アニメや漫画好き)というのも素敵なギャップ。

 

⚫︎ 原田葵さん

(はらだ・あおい/2000年5月7日、東京都生まれ)

「けやかけ」で「小学生」なんて呼ばれることもあるくらい、

幼くてあどけない雰囲気のメンバー。

いじられキャラでもあります。

かまってちゃんタイプで、楽屋で騒がしいこともあるよう。

 

⚫︎ 平手友梨奈さん

(ひらて・ゆりな/2001年6月25日、愛知県生まれ)

欅坂46の絶対的センター。6作連続で単独センターを務めています。

ナチュラルコスメブランド「24h cosme」のブランドミューズに就任したり、

メンズモデルとして「STREET JACK」に登場したりと、個人活動も多いです。

バスケットボールをずっとやっていたようで、運動神経抜群。

過去の映像なんかを見ると、昔はよく笑っていました…ね…

 

⚫︎ 守屋茜さん

(もりや・あかね/1997年11月12日、宮城県生まれ)

欅坂46イチ美意識の高いスポーツ女子。

めっちゃ美人で「綺麗なお姉さん」という雰囲気が溢れている一方で、

驚くほど負けず嫌いで熱血キャラ。

番組の企画(特にスポーツ絡み)で負けて、

悔しくて号泣なんてこともありました。

 

⚫︎ 米谷奈々未さん

(よねたに・ななみ/2000年2月24日、大阪府生まれ)

通称・よねさん。欅坂46の常識人。

ブログの文面からも真面目な雰囲気が伝わってきます。

実は潔癖症らしく、回し飲みができないそう。

(ロケ中に他のメンバーから回ってきた食べ物を拒む姿も見られました笑)

私服がダサいと言われていますが…?

 

⚫︎ 渡辺梨加さん

(わたなべ・りか/1995年5月16日、茨城県生まれ)

ドーリーでガーリーなファッション誌「LARME」で

レギュラーモデルも務める、人形のような可愛らしさと美しさの持ち主。

ちょっぴり不思議ちゃんで、カメラが回るとほとんど喋れなくなります…!

ただし、お笑い芸人・ゴー☆ジャスのネタ

「レボリューション」であれば、TVでも披露できる。

通称・べりか、ぺー、ぺーちゃん。欅坂46の最年長メンバー。

 

⚫︎ 渡邉理佐さん

(わたなべ・りさ/1998年7月27日、茨城県生まれ)

ファッション誌「non-no」の専属モデルとしても活躍。

ザ・クールの片割れ(もう一人は志田愛佳さん)。

めちゃくちゃたんぱくで、雰囲気がちょっぴり怖いことから

「女王様キャラ」とも言われていますが、女の子らしい一面もあり。


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以上、計21名!

3月7日にはニューシングル「ガラスを割れ!」のリリースも決定しましたね。

2018年も、欅ちゃんを追いかけていきます(*^-^*)

◆大好きだったバンドの解散を、1年半越しに受け入れられたこと◆

 

 

解散、脱退、卒業、活動休止、中止、終了……

 

 

バンドやユニット、またはアーティスト個人の

「終わり」を示す言葉はいろいろあって、

ニュースサイトやSNS上で日々飛び交っていますが、

 

 

実際に「自分の好きなアーティスト」の
「解散」や「活動終了」を経験したことはありますか?

 

 

「あのバンド解散するんだー」とか

「人気メンバーだったのに卒業か…」とか

「活動中止って…何かやらかしたのかな」なんて、

三者的な立場からぼんやりと思ったことくらいは

誰しも一度くらいはあるのではと思うのですが、

自分の好きなアーティストの「終わり」に立ち会ったことはありますか?

 

 

私は、あります。

 

20数年間生きてきたなかで、

一番ハマり、一番ライヴを観に行ったバンドが、

「大好き」な状態のまま解散に至りました。

 

 

それが、BORNというヴィジュアル系バンドでした。

BORNの解散は2016年5月。

ラストライヴは平日でしたが、午後休をとって観に行きました。

 

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ラストライヴ直前の私のツイート

 

 

それでも開演には間に合わず、

久しぶりに行った会場だったこともあり、

入り口が分からなくて迷子になり、時間をロスし…

見始めたのは5曲目あたりから。

 

「今日で終わるバンドなんだ」とは思えないくらい、

勢いがあってかっこよくて、すごくまぶしくて。

解散ライヴの会場に居ながら、解散だなんて信じられませんでした。

 

 

そして、アンコールは見ずに、ひっそりと帰りました。

 

 

とっても子供っぽい理由なのですが、

その日が最後だと分かっていたのに、

もう二度と観れないということも分かっていたのに、

「終わり」の瞬間を目の当たりにしたくないと思ってしまったんです。

 

最後まで観なければ、私のなかで彼らの「解散」が

現実にならないと思ったというか、なんというか…。

 

 

それからもBORNの楽曲はよく聴きましたが、

新しいバンドにハマることもなく、ライヴにはほとんど行かず、

再びアニメや漫画、ゲームが大好きになり、

その一方で欅ちゃんにハマったり…と、

意図していたわけではないですが、

ヴィジュアル系とは距離ができていました。

 

そして、楽曲を聴けば聴くほど、

「こんなにも良い曲ばかりなのに、

 もう生で聴くことは二度とできないんだよな」

なんて考えてしまい、感傷的になったりもしました。

 

 

そんな日々がしばらく続いたんですが、

久しぶりにヴィジュアル系に触れる機会がやってきました。

 

 

 

「RAZOR(レザー)」というバンドの

ワンマンツアーのファイナル公演を観に行ったのです。

razor-web.jp

 

RAZORは2016年秋に結成されたバンドで、

ヴォーカルを務めるのは、BORNのヴォーカリストだった猟牙さんという方。

つまりRAZORは、BORNの解散後に結成された新しいバンドでした。

 

BORNを好きな理由として、

猟牙さんの歌声やパフォーマンスの素晴らしさもあったのですが、

私はずっとRAZORの音源は聴けずにいたし

当然ライヴにも行っていませんでした。

 

 

2016年5月25日の解散ライヴで、

私は私のなかのBORNを終わらせなかったのに、

違うメンバーとともにライヴをする彼を観てしまったら

その感覚が崩壊してしまう。

「BORNの解散」を受け入れざるを得なくなってしまう。

そんな想いが、少なからず働いていたように思います。

 

 

それでもライヴに行ったのは、

最近できた友人が偶然にもBORNのファンだったことが分かり

RAZORのライヴにも何度か行っていると言われ、

せっかくだから一緒に観てみようという流れがあったから。

 

 

ライヴハウス自体も久しぶりだったので、

一人じゃないのは心強い。

何より、BORNを好きだったという友人に誘われたのが嬉しくて、

私は参戦を決意しました。

ただ、事前にRAZORの音源を聴いたりPVを観ることはしませんでした。

 

 

 

そして迎えた2月10日、

私は大きな後悔をすることになります。

 

 

 

それはRAZORが、

あまりにもかっこよかったから。

 

 

 

楽曲もパフォーマンスも会場の一体感や、

客席側から感じられる熱気なども含め、

すごくすごく熱くて、それでいて心地よいライヴでした。

 

もしかすると、見ていたらしんどいかな…

なんて懸念も最初はあったのですが、

なぜもっと早く観にいかなかったんだろう…

と後悔する気持ちが、一番強く残りました。

 

 

 

そんな想いが芽生えたということは…

 

 

少し大げさかもしれませんが、

私はやっとで「RAZOR」というバンドを受け入れることができ、

さらには「BORNの解散」を現実のものとして

受け入れることができたのかもしれません。

 

 

BORNの時と変わらず(もしかしたらそれ以上に)、

ステージ上で生き生きとした姿を見せた猟牙さんはとても素敵で、

2016年5月から足を止めたままだった自分が

置いてきぼりをくらったような気持ちになりました。

 

時間は確実に流れ、

BORNのメンバーだった猟牙さんは新たなステージに立ち、

RAZORのライヴを求めるファンたちが、会場に多数集っている。

私もそのなかに入りたいと思えました。

 

見逃した分を取り戻せるなら取り戻したいし、

「今」を生きるバンドを、この目にやきつけたい。

これからも追いかけていきたい。

そんな風に思える、熱い熱いワンマンライヴでした。

 

 

本編終了後のアンコールで、

メンバーの口から「BORN」というワードが飛び出しました。

その日の会場だった新宿BLAZEは、

BORNもライヴ経験のある場所で、私も観に行ったことがありました。

 

過去を隠すわけでも消すわけでもなく、

腫れ物に触れるような話し方でもなく

自然と発せられた「BORN」という名前に

私はなんだか涙が出そうなくらい嬉しくなりました。

 

私の中にBORNが残っているのと同じように、

猟牙さんやRAZORメンバー、

あの会場にいた人たちのなかにも、きっと、BORNが残っている。

残っていて当たり前だし、覚えているのは悪いことじゃない。

これまた大げさですが、勝手に救われたような気分になりました。

 

 

2016年5月から約1年半の時を経て、

私はやっとでBORNの解散を昇華することができました。

そのきっかけは、紛れもなく

「今」を生きているバンド・RAZORのおかげです。